ツァイガルニク効果と事例|心理テクニックで恋愛やビジネスをマスターせよ!

こんにちは、落合です。
今回は『ツァイガルニク効果と事例|心理テクニックで恋愛やビジネスをマスターせよ!』というテーマで書いていきたいと思います。
いきなりなんですが、テレビ番組なんかを観ていると『続きはCMのあと!』とか『続きはWebで!』など『続きは〜』という表現を見たりしませんか?
実は、僕たちはとある一つの流れが出来上がっている場合、途中で話が切られてしまうと続きが知りたいという心理が沸き起こるようにプログラムされています。
なので、バラエティ番組を観ていた時に『続きはCMのあと!』とテロップが出されると、CMが明けるのを待って番組の続きを観ようとするのです。
このように続きが知りたいと思う心理を『ツァイガルニク効果』と呼びます。
ツァイガルニク効果は日常に多く溢れているのですが、実際に利用することができれば、恋愛やビジネスを有利に進めていくことができます。
正直、僕もツァイガルニク効果は数ある心理テクニックの中でも特に重要だと思っています。
実際、僕自身もツァイガルニク効果を活用する機会は多いので、経験則から判断してもかなり使える心理テクニックだと感じますね。
というわけで今回はツァイガルニク効果の基本を学びつつ、恋愛やビジネスに応用する方法を紹介していきます。
目次
1.ツァイガルニク効果とは?
ツァイガルニク効果は、ドイツの心理学者クルト・レヴィンが提唱したもので、
「達成できた事柄よりも、達成できなかった事や中断している事のほうをよく覚えている」
と結論づけた人間の行動心理のことを指します。
そして、レヴィンの主張をもとに、旧ソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニクが、
「未完了の課題についての記憶は、完了した課題についての記憶に比べて記憶されやすい」
と提唱したことで生まれた名称が『ツァイガルニク効果』となるのです。
ツァイガルニク効果を理解する上で大事なキーワードになるのが『未完成(未完了)』です。
そもそも僕たちには、始まりを知ったら終わりも知りたいという本能的な欲求が備わっています。つまり『続きはCMのあとで!』のように途中で物事が遮断されてしまうとその先も確かめたくなるのです。
未完成の状態が目の前に起こっていたら、その状態は記憶されやすく完成に近づけようとするわけです。
- 小説を読み出したら止まらなくなったり、
- 友達との恋バナで花が咲いたり、
- 30分だけゲームしようと思ったら3時間ぐらいやってたり
このように実はツァイガルニク効果って結構いろんなところで影響しています。
とにかく、僕たちは完成した事柄よりも未完成の事柄のほうが圧倒的に記憶に残りやすいので、この心理を応用すると恋愛やビジネスが上手く運びやすくなるのです。
2.ツァイガルニク効果の具体例
それでは、ツァイガルニク効果の具体例を解説していきます。
2-1.具体例その1:失恋が忘れられない
ツァイガルニク効果の代表例として挙げられるのが『失恋が忘れられない』という事象です。
例えばA君が付き合ってる彼女に突如として別れを宣言されて、彼女と破局したとしても直ぐに彼女のことを忘れられません。
A君としては、
- 「何で振られたんだ?」
- 「まだやり直したい…」
と色々な感情が湧き上がり、彼女のことを忘れることができないのです。
しかし、反対にA君を振った彼女は直ぐにA君を忘れてしまう(忘れることができる)のですが、ここにツァイガルニク効果の心理が現れます。
要は彼女はA君を振った側なので、もうそこで付き合ってるという関係が『完了』したことになります。
逆にA君にとっては突然、別れを告げられた側なのでまだ彼女との恋愛は続いており、関係が『未完了』のままなのです。
ちなみに失恋以外にも初恋がいつまで経っても忘れられないという現象もツァイガルニク効果で説明が付きますね。
2-2.具体例その2:連続ドラマ
ツァイガルニク効果の事例としては、「連続ドラマ」も当てはまります。
1話を見たらそのまま次回も観たくなるのが普通ですが、これも要するに続きが気になるというツァイガルニク効果の影響です。
連続ドラマの場合はいくらツァイガルニク効果があるからといっても、ドラマの内容に興味が惹かれなければユーザーを引き止め続けることはできません。
でも、次回に繋げるための『引きの良さ』が上手ければ上手いほど、続きが気になる心理が大きくなるのでそういった意味ではツァイガルニク効果を応用していくことは可能です。
2-3.具体例その3:テスト後、勉強した内容を忘れる
さて、これもよくある事例なんですが、高校や大学の時に定期テストがあったと思います。
テストで良い点数を取るために必死で勉強して完璧に内容を押さえたとしても、テストが終わった後にスッと頭の中から勉強した内容を忘れる経験ってありませんか?
ちなみに僕は高校生の時、1週間ぐらい前から勉強を始める教科とかあったんですが、テストが終わったら普通に勉強した内容が消えていました
落合
ツァイガルニク効果は未完了の課題に対して強い記憶の定着が起きます。
つまり逆を言えば、課題が完了してしまえば記憶に残らないということです。
以上、ツァイガルニク効果の具体例を見てきましたが、これ以外にも日常生活の中でツァイガルニク効果と見なされる事例は多数あります。
心理効果というのは人の無意識に働きかけるので、自分で気づくためにはその心理効果を知っている必要があるのです。
そして何よりツァイガルニク効果を恋愛やビジネスに応用することができれば、人を動かしていくことができるようになるので自分のペースに運びやすくなります。
そこで、ここからは今まで話してきたツァイガルニク効果を恋愛やビジネスに応用するためのテクニックを紹介していきたいと思います。
3.ツァイガルニク効果の応用:恋愛編
では、最初にツァイガルニク効果を恋愛で応用する方法について解説していきます。
3-1.会話を通して2回目のデートに持ち込むテクニック
ツァイガルニク効果から紐解けるのは、ミステリアスな雰囲気が相手を引き込むということです。
もちろんミステリアスというのは諸刃の剣でもあるので、ミステリアス過ぎたら『変な人』という烙印が押されてしまいます。
これはバランスが難しいところなのですが、結局、自分のことを全て知られてはツァイガルニク効果による興味が惹けなくなります。
だから会話をする時に心がけるべきなのは情報を少しづつ出して、話を完結させないようにすることです。
例えば、相手の信用を得るために最も有効な手段が自己開示なんですが、その自己開示をする時も自分のことを全て語る必要はありません。趣味や自分の過去を話す時も深い話は避けて、早めにデートを切り上げるのが次回のデートに繋げるために有効です。
深い話を避けることで相手にとっては『未完了の感情』を抱かせているので、ツァイガルニク効果により、もう一度会って話がしたいという気持ちにさせることができるからです。
そして、会話の時に大事なのが『相手の話を引き出す環境を作る』ということです。
結局、人は自分の話を聞いてもらいたい生き物なので、相手が話しやすい雰囲気を整えることが大事であり自分は聞き役に徹するようにしましょう。
聞き役に徹するだけで、どんどん相手から情報を引き出すことができます。
そして、上手に情報を引き出す時に便利なのが『おうむ返し』です。これは僕も実際の会話の中でよくやるのですが、相手が言った事に対して、
- 「へ〜、そうなんだ!」
- 「〇〇って確かに便利だよね!」
など相手の話を繰り返したり相槌を打つと相手も話を聞いてくれてると思うのでどんどん会話が進むのです。
もちろん、おうむ返しは異性との会話の場面だけではなく、上司や初対面の人から情報を聞き出す時にも役に立ちます。
ただ、これも使い過ぎると話を流されてる感じを相手に抱かせてしまうので、その場の雰囲気を読み取る力は必要とされますね(ここら辺は場数を踏んでいきましょう)。
3-2.LINE(メール)での会話について
好きな異性と連絡を取り合うとなったら、基本的にはLINEでやり取りを行うと思います。
この時に送られてきたLINEに直ぐに反応して、秒で返事を返したくなりますがここでツァイガルニク効果が役に立ちます。
つまり、直ぐにはLINEの既読をせずに、数十分から数時間ほど返信を待ってそれから返信するのです。
すると相手からしたら直ぐにメールが届かないことによって、『どんな返信が来るのかドキドキする』というツァイガルニク効果が生み出されます。
続きが気になる状態になるので、より一層LINEでのやり取りにメリハリが生まれるのです。
ただし、これも互いに状況によって効果が大きく変わります。
そもそも常に返事が遅い人からしてみたら、いくら時間を空けたところでツァイガルニク効果も何もありません。
まずは、相手がどんな人柄なのかをリサーチするようにしましょう。
恋愛もビジネスと同じでリサーチしないことには、勝率が大幅に落ちるのでビジネス的なアプローチが必要になってきます。
4.ツァイガルニク効果の応用:ビジネス・マーケティング編
では、恋愛の次にビジネス(マーケティング)に応用していくやり方を紹介していきます。
4-1.Webメディアでツァイガルニク効果を応用する
WebメディアというのはブログやSNS(Twitter、Facebookなど)といった情報を発信するための媒体のことですが、そういったメディアを活用する時もツァイガルニク効果は使えるのです。
今の時代は個人でビジネスをやる場合に限らず、企業もWebメディアを活用しないと今後は生き残っていくことができません。
特に個人の場合は大企業のように莫大な広告費を掛けられませんので、テレビCMを打ったり、資本力で集客や販売を補う荒技ができません。
だからこそ、Webメディアを持っておくことで広告費を掛けることなく、たった一人が大勢の人々にアプローチできるようになり、結果を出し続けていくことが可能となるわけですね。
ちなみに個人でも企業でもWebメディアを作る時は『コンセプト』が絶対に必要です。
その理由は、コンセプトがないと顧客が離れていき、長期に渡ってビジネスを続けられないからです。
そもそもコンセプトの意味は『そのWebメディアがどんな世界観を持っているのか』を表す言葉なんですが、詳しい作り方については『コンセプトとは何か?わかりやすく意味や具体例を交えて徹底解説』こちらの記事をご覧ください。
上の記事を参考にすれば、ライバルから一歩抜きん出たWebメディアを作ることができるので、これからビジネスを始める人や既に手元にあるメディアの強化をしたい人におすすめです。
・・・さて、これがWebメディアにおけるツァイガルニク効果の一例なんですが気づきましたか?
実はここまでの文章って先ほど紹介した、
『コンセプトとは何か?わかりやすく意味や具体例を交えて徹底解説』
こちらの記事に移動してもらうために書いてきたものなんですよね。
事実、僕がこの場でコンセプトの具体的な説明に入ることはしなかったので、
「コンセプトの詳しい作り方って何だ?」
という続きが気になる心理が働くようになります。
つまり僕はツァイガルニク効果を活用して、目当ての記事へと誘導してもらいたかったわけです。
ここら辺の心理テクニックは隠してるからこそ華があるわけで、戦略を公開すると途端にチープなものになります。ですが具体例があるとツァイガルニク効果をより理解しやすいと思ったので記述しました。
4-2.ステップメール
Webメディアに関連して、ステップメールもツァイガルニク効果を利用することで反応率を上げていけます。
ステップメールとは設定しておいたメールを指定した日に送れるメルマガの機能のことです。
詳しいステップメールの説明や組み方に関しては『ステップメールの書き方とは?成約率を高めるシナリオの流れを徹底解説』に書いていますのでご覧ください。
あ! 落合くん、これもツァイガルニク効果だね!
Mr.ネコ
その通り! Mr.ネコの言う通り、今回の記事の誘導もツァイガルニク効果を利用してるよ
落合
要するに、1通1通面白いメールを書いていき、次のメールが気になる状態に持っていくのです。
そして読者から『早く次のメールが読みたい!』と思わせられるようなメールを書けるのが理想と言えます。
ステップメールを活用するとセールスが効率的になるので、商品をセールスするだけの目的で活用する人がいるのですが、僕としてはあまり好まない使い方です。
もちろんセールスをしてもいいのですが、ステップメールは『自分のファンになってもらうためのツールでもある』と僕は思っています。
結局、長期的にビジネスをやっていくためにはどれだけリピーター(ファン)を増やしていくかが鍵です。
ずっと新規顧客を集め続けるのは労力的にも疲れますし、何より自分のファンとビジネスをやっていくのは本当に楽しいです。
お互いWin-Winの関係でビジネスができるようになるため、セールスだけの道具と見なすのではなく、読者との信頼関係を構築していく代物だと意識してみてください。
5.ツァイガルニク効果を使う時に注意すべき点
では、ここまでツァイガルニク効果について様々な視点から解説してきたのですが、注意点があるのでお伝えします。
まず、ツァイガルニク効果は確かに人を動かすテクニックとして有効であり、これを知っているだけでも恋愛やビジネスが上手くいきやすくなります。
しかし、あくまでテクニックはテクニックでしかなく、戦術レベルの話でしかありません。当たり前ですが心理テクニックばかり使った恋愛トークとか目の前で繰り広げられようものなら最高に気持ち悪いです。
ビジネスをやる時も『相手の心理を操ってやろう!』みたいな下品な気持ちで心理テクニックを使っても、直ぐに顧客に見破られて最悪自分に対する信頼が一気に落ちます。
だから、ツァイガルニク効果などの心理テクニックは『スパイス』みたいなものだと思いましょう。
料理にパンチを効かせたい時にスパイスが必要なように、心理テクニックをスパイス感覚で使うとバランスが取れるようになります。
心理テクニックは多様し過ぎても逆効果になってしまうので、実際に使う時は用法用量を守って実践していきましょう。
また以下ではビジネスに役立つ心理効果について解説していますのでご覧ください。